一年間の絶景: バガン、モハーの断崖、ポルトフィーノ


景色は見下ろしたほうが良い、とHilman wonderで知られる旅行の達人、Hilman氏が言っている。確かに私の経験でもそうであり、グランドキャニオン、ヴィクトリアの滝、マチュピチュなどと数え上げることができる。

 
2014年の旅行では眺望に恵まれた時が多かった。バガン、モハーの断崖、ポルトフィーノで、やはり見下ろしている。この旅行体験は既に4Travelに発表しているので、ここでは、まとめた形で、旅行情報に力点を置いて紹介したい。

バガン

バガンはミャンマー(ビルマ)の中部にあり、壮大な仏教遺跡で知られている。エーヤワディー川沿いの平原に主として11-13世紀に作られた仏塔や寺院が立ち並んでいるのである。

この遺跡を全体として眺めようとすると、日没か日の出の頃がよいとされる。日の出の頃は熱気球に乗るのが人気である。これはとても評判が高く、早めの予約が必要である。前日に思い立った私たちには、空席はなかった。日没時のバガンは仏塔の上から十分に楽しむことができた。
 

バガンはロードトゥーマンダレー・クルーズの一環として訪問した。2月8日から2月9日にかけてである(http://4travel.jp/travelogue/10881483)。バガン観光に良い時期は乾季の内で、さほど暑くない11月から2月とされている。いまやミャンマーは行きやすくなり、バガンを売りとする格好なツアーは他にも多い。
 

バガンの夕景を眺める場所はいくつかある。その中で最も有名なのはシュウェサンドー・パゴダである。主要な仏塔や寺院をほぼすべて眺めることができるし、仏塔は高く広く、日没見物に適しているからである。しかし、混み合うので、穴場として他の場所を推薦する意見も多い。

私たちはシュウェサンドー・パゴダに案内され、十分に楽しむことができた。穴場の場所は、塔の上が狭かったりする場合もあるので、私たちはシュウェサンドー・パゴダでよかったと思っている。楽しめた第一の要因は早めに到着したことである。4時頃だったろうか。塔の最上部でも、それほど多くの人はいず、ゆっくり歩いて四方に広がる景色を眺めることができた。ただ絶景であった。

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日が落ちてくると、ツアーバスが次々にやってきて、多くの観光客を降ろした。塔の最上階は次第に混み合ってきて、移動するのは、はた迷惑で危険な状態になってきた。

そこで一段下の階に降りた。景色はさほど変わらない。私はまた歩き回って沈む夕日を見たり、かげりを帯びた仏塔群を眺めたりした。マチュピチュの日没と甲乙付けがたいほどの素晴らしさだ。

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西の方角を見ると、太陽は沈まんばかりだ。それで、日没に没頭することにした。しかし、この階でも日没観察に良い場所は塞がってしまった。それで、もう一階、下に降り、心ゆくまで落日を眺めた。

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モハーの断崖

モハーの断崖はアイルランドの西岸にあり、大西洋に面している。8kmに渡って、ほぼ垂直に切り立った断崖が連なっているのだ。高いところでは絶壁の高さは200mとなる。

ここを観光するのに一般的な手段はダブリンあるいは、より近場のゴールウェイから出ている観光バスである。モハーの断崖で2時間の自由時間がある。

私たちは、悪天候の可能性も考えて、ゴールウェイに2泊することにした。ダブリンからゴールウェイまでは鉄道の便がよく、所要時間は約2時間である。そして、路線バスとタクシーを併用して観光することにした。

観光バスより自由度が高いと思ったからである。あらかじめバスの時間割はホームページで調べていた(www.buseireann.ie)。

ゴールウェイからモハーの断崖まではバスで2時間強、タクシーで1時間強である。

なお、バスは片道20ユーロ、タクシーは片道120ユーロ、そして2時間待ってもらってバレン高原へも寄り道したときは往復200ユーロとチップであった。

宿泊先はパークハウスホテル。駅の近くで便利であり、また設備も良かった。朝食付き2人で200ユーロ弱。

8月27日から29日の旅であったが、中心となる28日は悪天候であった。しかし、ゆとりの日程とタクシーの機動性が功を奏し、晴天のモハーの断崖を楽しむことができた(http://4travel.jp/travelogue/10940456)。

モハーの断崖はほぼ南北の方向に連なっている。駐車場から西の方角に数分歩くともう中央展望台に着く。ここからは南方ハグズ岬の方へ向かう断崖を見ることになる。晴天の午前中には迫力のある姿を見ることができた。

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中央展望台から右折して北方に坂を登っていくと、すぐに北展望台になる。近くにオブライエン塔もある。モハーの断崖の中で、最も高いのは、このあたりである。ここからは、やはり南方の崖を鑑賞するのである。

中央展望台から左折して南方に歩くと、これもすぐに南の展望台に着く。ここからはオブライエン塔のある、崖の北面を見ることになる。

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この3つの展望台を結ぶのは広く、舗装された歩道である。そして、危険性はない。

しかし、南北の展望台から、さらに歩道が延びている。ここを歩くと、より深くモハーの断崖を味わうことができる。しかし舗装は消えている。履物と共に、雨具にも準備が必要だ。 さらに崖沿いの道は危険が一杯だ。この歩道は岩板のようなもので、2つに区切られている。崖に面しない側を歩けば滑落の危険はない。崖に面した側を歩けば絶景であるが、滑落、あるいは他の人がぶつかってきての転落の可能性がある。状況を判断して行動しなければならない。

この崖に面した道は通行禁止という情報もあったが、必ずしそうではないと思う。2013年にwalking trailが新しくなったからだ。このトレイルを南端から北端まで歩く人もいる。今後、人気が増すのではないか。ただ極度の危険という表示があるのはもっともで、犠牲者も出るそうだ。

 

北の展望台から北へ歩道を進むと広大な景色が広がる。前途に人工物が見えない利点もある。

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しばらく行くと平らな岩盤が広がるところがあり、私たちはそこで休んで引き返した。

 

南の展望台から南へ延びる歩道はハグズ岬を目指している。ここでの展望は、基本的には、振り返ってオブライエン塔のある崖の北面を眺めるのが良い。

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進むにしたがって、背後の景色はますます壮大になってゆく。この歩道は、最初のうちは、崖に面した道は厳しそうで、私たちは岩板の左側を歩いた。

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前方の景色も捨てがたい。

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1時間近く歩くと景色が平板になったので引き返した。今度は絶景を正面に見ての歩きとなった。

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ポルトフィーノ

ジェノバの東、リヴェイラ海岸に小さなリゾート地がある。ポルトフィーノだ。ヨットの停泊に適した入り江をカラフルな建物が取り囲んでいる。地中海クルーズの訪問地として人気が高い。

                                                                                                         

Hilman氏のランキングでも、ぎりぎりではあるが100位以内に入るという評価の高い場所である。私たちは初秋(9月4日から9月6日)にポルトフィーノに滞在した。                                          

http://4travel.jp/travelogue/10943608

 

ポルトフィーノへ入る拠点は、ジェノバから鉄道が通じているサンタマルゲリータ・リグレである。ここから船(駅から数分の港からほぼ1時間に1本、6ユーロ)、バス、タクシーの便がある。私たちは時間を節約しようとジェノバからタクシーとした。95ユーロであった。

 

ポルトフィーノの入り江を囲むようにしている半島にブラウン城がそびえている。その庭園の突端からはポルトフィーノの入り江を見下ろすことができる。

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さらにチンクエテッレの方向に広がる海も見える。いずれも絶景である。

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ブラウン城に行くには、港のはずれから灯台のほうを目指して15分ほど登る。午前中のほうが光の具合が良いようだ。庭園の突端の眺めの良いところには少数の人しか入れないので、時間の余裕を持っていったほうが良い。

 

ポルトフィーノで景色が良いホテルとして有名なのはスプレンディードである。私たちはここに宿泊したが、部屋からの眺めは、少なくとも私たちが割り当てられた部屋からは大したことがなかった。

とてもよかったのは、ホテルのテラスレストランでのディナーである。あらかじめ眺めの良い席をとアメックスを通してリクエストしていた。期待通り、夜景が素晴らしかった。

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